Topics

幼い子に料理を教える必要はある?

(2016/07/19)

幼い子に料理を教える必要はある?

 社会派レシピスト、食の探偵団・団長、のサカイ優佳子です。

 「夏休みも近いので、子どもと料理について食育の専門家としてどう思うか取材させてください」と、先日メディアの取材を受ける機会がありました。

 「特に無理して料理を教えこむ必要はないんじゃないですか?」という私に、「何才になったらどんなことをさせるべきか目安を教えてください」と食い下がる記者。食育が大事、と言われるようになって、「子どもには料理を教えなくては!」とプレッシャーに感じているお母さんも多いのかもしれないなあと思い至りました。

♪教えなくても料理ができる理由は

 娘は一人暮らし6年目。家にいる頃に特に料理を教えた記憶はないし、バレンタインデーの前のチョコレート菓子を作る以外に台所に立つことはあまりないまま家を離れました。それでも今は、朝食、弁当、夕飯とほぼ毎日3食しっかり作っています。「弁当用に椎茸の肉詰めの作り置きして冷凍してるの」とか、海外に住んでいるので「どうしても食べたくなって黒蜜作っちゃった!」などとメッセージがきます。

 息子は小学校の頃から、冷蔵庫にあるものを適当に見繕って「残りご飯でリゾットもどきを作ったら結構おいしかった」などということも頻繁でした。私が留守でも「冷蔵庫の中のものを使っていいんだったら適当に食べるから大丈夫」と心強い言葉がするりと出てきます。

 それぞれに「作ってみたら美味しくできちゃった!」という小さな成功体験を積み重ねていることが次のモチベーションにも繋がっているように思います。実際、周りの料理上手たちも、特に親に料理の教育を受けた記憶はないという人の方が多いのです。

♪伝えたいのは料理の技術?

 自分自身の経験から言っても、幼い子どもに料理をさせるのは親の体力と忍耐力が相当に必要です。「教え込もう」とすればするほどに子どもにとってはつまらない経験になってしまうことも実はあり、ましてや「*歳だったらこれができなきゃいけない」と親が力むことで、却って料理嫌いになる可能性だってあります。

 子らが料理を普通にこなすようになったのは、今思えば、友だちも一緒にイベント的に料理作りを共にしたり、家にお客を呼んで食の時間を楽しみ、料理する姿を頻繁に見せてきたことによるのかなと思うのです。親が楽しそうに料理をしていれば、子にも料理は楽しいものと刷り込まれていきます。

 料理が作れると人を喜ばせることができる、一緒に食べると美味しい、そんな食に対するイメージを育んでおくことこそがまずは重要。料理の技術はその後にいくらでもついてきます。

 食は主観的で、創造的なもの。「何才までに**ができなければ」に固執することなく、「**ねばならない」ではなく「**できて楽しい」「**もやってみたい!」「**がダメでも**すればできるかも!」そんな姿勢をこそ育んでいきたいですね。

乾物レシピがEテレの番組に! テキスト好評発売中

サカイ優佳子さんが提唱する、乾物をヨーグルトでもどす調理法を紹介したNHK Eテレの番組『まる得マガジン』のテキスト「からだイキイキ!簡単でおいしい ヨーグルトでもどす乾物レシピ」(NHK出版617円、左)、とムック『ヨーグルトでもどす魔法の乾物レシピ』(主婦の友社864円、右)。それぞれ好評発売中です。

サカイ優佳子ホームページ : http://yukakosakai.net

DRYandPEACE(代表理事:サカイ優佳子)のホームページ:http://dryandpeace.com

********サカイ優佳子(さかい・ゆかこ)プロフィール 「五感を重視した食育ワークショップ『食の探偵団』を2002年より田平恵美とともに主宰。田んぼを残したいという思いから07年より米粉の利用法の提案を続け、11年からは『乾物は未来食』という思いから伝統的乾物の新しい使い方や、世界各地の乾物の知恵、料理法の研究を開始。DRY AND PEACEプロジェクト推進中。著書に『感じる食育 楽しい食育』『米粉ランチ』等。
▲ページTOPへ