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食料廃棄を減らすために

(2016/08/23)

 社会派レシピスト、食の探偵団・団長、のサカイ優佳子です。

♪世界に広がる“食べ物を無駄にしない”ビジネス

 北京に住む娘によれば、「进口」というスーパーが賞味期限間近の食品を集め、安く販売してくれるので助かるとのこと。市内に3軒あり、虚偽表示だったら商品価格の1万倍の罰金を払うと宣言していることで信頼を得ているのだそうです。

 そんな話をしている矢先にデンマークで2015年末にスタートした「TOO GOOD TO GO」(以下TGTG)がイギリスでもスタートして話題になっているというニュースを読みました。http://toogoodtogo.co.uk/

 TGTGは、レストランやカフェなどで売れ残り捨てられてしまうはずだった料理を、閉店時間間際になって安く販売するための仕組みを提供しています。

 利用者はPCサイトやアプリから近くにあるレストランやカフェを探して予約し、レストランが指定する時間に料理を取りに行きます。買う側は通常よりぐっと割安な価格で料理を持ち帰ることができ、店側は食べものを捨てることなく売り切ることができます。TGTGはまた、寄付を呼びかけて食べるのに困っている人たちに届ける活動も行なっています。

♪増え続ける人口、食料は足りる?

 2050年には現在の73億人から90億人へと人口が増えるだろうといわれる中、1.7倍の食料を生産しなければ食料が不足するという専門家による予測も出ています。

 食料の生産性を上げるか、生産面積を広げるか、と言ってもすでにどちらも大幅に変えるのは難しい状況まで来ています。となれば他の方法、今現在試算によっては4割ほどの食べものを捨てていることになるとすら言われる「食料廃棄」をいかに減らすかは、もっと注目されていいはずです。

 最終的に人の口に入らずに捨てられてしまう食料を捨てることは、その食料そのもののムダだけでなく、それを作るために必要とされた肥料や飼料、水などもムダにされたことになり、さらには本当なら土地を含めたそれらのリソースを使って作ることができたであろう食料を生産できなかったという意味での機会損失にもなってしまいます。

♪一人ひとりにできることは?

 アメリカの有名なスーパー、トレーダージョーズの元社長が昨年ボストンで始めた「Daily Table」も賞味期限切れ間近の食材を集めて安価に販売することで話題を呼んでいます。

 こうした動きは世界各地でこれから加速してくると思われます。美味しく楽しく食べ続けていくために、私たち一人ひとりに何ができるのか。考えていきたいと思います。

 先日手に取った「食品廃棄の裏側」(石渡正佳著 日経BP社)という本は、食べられるものは捨てずに食べる仕組み、リセール市場の整備が必要だとし、そのための法整備を急ぐべきとしています。食品リサイクル法がうまく機能しないのはなぜか、産廃Gメンならではの現場の事情がよくわかる、とても興味深い内容と提言でした。

乾物レシピがEテレの番組に! テキスト好評発売中

サカイ優佳子さんが提唱する、乾物をヨーグルトでもどす調理法を紹介したNHK Eテレの番組『まる得マガジン』のテキスト「からだイキイキ!簡単でおいしい ヨーグルトでもどす乾物レシピ」(NHK出版617円、左)、とムック『ヨーグルトでもどす魔法の乾物レシピ』(主婦の友社864円、右)。それぞれ好評発売中です。

サカイ優佳子ホームページ : http://yukakosakai.net

DRYandPEACE(代表理事:サカイ優佳子)のホームページ:http://dryandpeace.com

********サカイ優佳子(さかい・ゆかこ)プロフィール 「五感を重視した食育ワークショップ『食の探偵団』を2002年より田平恵美とともに主宰。田んぼを残したいという思いから07年より米粉の利用法の提案を続け、11年からは『乾物は未来食』という思いから伝統的乾物の新しい使い方や、世界各地の乾物の知恵、料理法の研究を開始。DRY AND PEACEプロジェクト推進中。著書に『感じる食育 楽しい食育』『米粉ランチ』等。
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