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防災の日にむけて考えたいこと

(2015/08/26)

 社会派レシピスト、食の探偵団・団長、のサカイ優佳子です。

 1923年(大正12年)9月1日に起きた関東大震災。10万人を越える人が亡くなる、あるいは行方不明となる大惨事でした。災害の発生を未然に防止し、あるいは被害を最小限にとどめるためにどうしたらよいかを各自が考え活動しようということで、1960年に9月1日は「防災の日」と定められました。

♪賢い食品備蓄の方法とは?

 防災という言葉から連想するのは「備蓄」。

 かつてはたとえば乾パンなどの保存期間が長い食材を揃えておきましょうと言われてきました。でも気づいたら賞味期限の長さに油断して、いつの間にか期限が切れていたという経験がある人も少なくないと思います。

 そうした従来の備蓄法に変わってここ数年注目されてきているのが「ローリングストック法」。ふだん食べている食品を常備して使い、食べた分だけ補充していざという時に備える備蓄法です。半年から1年はゆうに保存できる乾物はローリングストック法にぴったりの食材です。

 私は乾物は未来食と考え、その普及活動を続けています。そのきっかけの一つが、乾物のレシピを考えてみようと思った矢先に起こった3.11でした。

 私が住んでいる地域では計画停電が実施され、冷蔵庫が使えない状況であったにも関わらず、生鮮食品は売り切れているのに乾物はいつもと変わらず棚いっぱいに並んでいるのを目にして衝撃を受けました。

 日本人は「冷蔵庫がなければ乾物を使えばいい」と思い至ることすらできなくなってしまったのか?そうは思いはしても、普段使いしていないのでどう料理したらよいのかがわからない乾物に手をだすことができないのか?

♪さまざまな生かし方がある乾物

乾物のある生活

 お金さえあればいつでもどこでも食べたいものがすぐに手に入る日常の中に暮らしていたら、乾物は過去の遺物と感じられるのかもしれません。でも実は乾物は未来食といえるかもしれないのです。

 乾物には、皮をむいて刻んであるものも多いので、包丁なしで料理が作れるものも少なくなくありません。調理の後に生ゴミがでないという利点もあります。従来だったら捨てられてしまったであろう形の悪い農産物も乾物にすれば売り物になり、農家の収入になります。軽いから買い物もラクだし、輸送の際のCO2削減にもなります。常温で長期保存ができるから冷蔵庫に頼りすぎずにすむという利点もあります。水とセットにすれば飢餓の地域に送って活用してもらうことだって夢ではありません。

 乾物という考え方は、予想される世界の人口増の中で、持続可能な食の未来へのキーの一つと思えるのです。

 乾物を使った料理を作ることは未来にむけての防災訓練。そのまま食べることができるものもあり、戻すだけでおいしく食べることができる乾物も少なくありません。ふだんから乾物を使いこなす暮らしを続けることによって、もしも、に備える。

 そんな「乾物のある生活」をはじめてみませんか?

「乾物EveryDay」(コモンズ 1600円〈税別〉)
食べものの水分を減らすことによって、常温で長期保存可能な食、『乾物』。昆布やヒジキなどの海藻類はもとより、キノコや野菜、豆にドライフルーツ、ナッツ、パスタやお麩など。意識してみると毎日のように乾物を口にしていることに気づきます。
乾物は、軽いので買い物がも楽なうえ、輸送の際のCO2も少なくてすみます。常温で保存できるので、冷蔵庫に頼りすぎない暮らしにつながり、もしもの時の備えにもなります。賢く使えば、産地でも家庭でも無駄が出ずエコな食材であり、生ゴミも減らせるのです。
たくさんの可能性を秘めた乾物の、現代の食卓とライフスタイルに合ったレシピをたっぷりご紹介します。

サカイ優佳子ホームページ : http://yukakosakai.net

DRYandPEACE(代表理事:サカイ優佳子)のホームページ:http://dryandpeace.com

********サカイ優佳子(さかい・ゆかこ)プロフィール 「五感を重視した食育ワークショップ『食の探偵団』を2002年より田平恵美とともに主宰。田んぼを残したいという思いから07年より米粉の利用法の提案を続け、11年からは『乾物は未来食』という思いから伝統的乾物の新しい使い方や、世界各地の乾物の知恵、料理法の研究を開始。DRY AND PEACEプロジェクト推進中。著書に『感じる食育 楽しい食育』『米粉ランチ』等。
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