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シンプルに味わう

(2016/10/05)

 社会派レシピスト、食の探偵団・団長、のサカイ優佳子です。

♪味の感じ方には個人差がある

白粥

 2002年から続けてきている五感を重視した食育ワークショップ「食の探偵団」のプログラムの一つに、いろいろなダシを味わってみるというものがあります。昆布、カツオ、乾椎茸、干し貝柱、干しえび、煮干など。どれも旨味がたっぷり。それでも実は、昆布のだしの香りを探り、舌で味わってみても「水にしか思えない」という人がそれなりの数いるのです。

 僧職の知り合いによれば、典座(編集部注=てんぞ、修行僧の食事や仏へのお供えを担当する僧の役職)では精進ダシの材料として干瓢(かんぴょう)や煎り大豆を使うことも多いとのこと。試しに私もそれらでダシをひいてみましたが、現代日本の普通の生活をしている人には、うっすらとした頼りないほどのダシに感じられるように思います。

♪高カロリーな食材はおいしい?

 人は本能的にカロリーが高そうなものに惹かれるのだそうです。それは飢えていることの方が多かった太古からの記憶によるとか。つい濃い味、脂ののった食材に向かってしまいがちな舌をたまにはリセットすることも必要かもしれません。

 これから涼しくなってきたら是非試していただきたいのが、湯豆腐。昆布に切れ目を入れて水に浸けて冷蔵庫で8時間程度置いた昆布水を使います。豆腐をそっと入れてゆっくりと火を入れていきます。せめて一口めだけは、塩をちょっとつけるだけ、あるいは生醤油を数滴たらすだけで、薬味も一切使わずに味わってみてください。カラダにしみ渡るような美味しさにきっと出会えると思います。 

♪朝だからこその味わい

 朝、出勤前の講座を務めることになりました。その初回では食材を単一のダシでじっくりと煮て、味付けは塩だけというお料理をお出しする予定です。朝だからこそ、その味わいを楽しんでいただけるかなと期待しつつ。

 収穫の秋。足し算の料理の美味しさも堪能しつつ、素材の味を活かす引き算の料理も意識して作っていきたいとと思います。

お知らせ

9月22日にサカイさんの新刊が発売されました。「毎日食べたい乾物ヨーグルトレシピ決定版」(世界文化社)。

乾物をヨーグルトで戻すという食べ方を提唱したサカイさんならではの、とっておきレシピが多数紹介されています。肉や魚と合わせた主菜やスイーツ、朝食レシピまで毎日の食卓のヒントが載っています。


サカイ優佳子ホームページ : http://yukakosakai.net

DRYandPEACE(代表理事:サカイ優佳子)のホームページ:http://dryandpeace.com

********サカイ優佳子(さかい・ゆかこ)プロフィール 「五感を重視した食育ワークショップ『食の探偵団』を2002年より田平恵美とともに主宰。田んぼを残したいという思いから07年より米粉の利用法の提案を続け、11年からは『乾物は未来食』という思いから伝統的乾物の新しい使い方や、世界各地の乾物の知恵、料理法の研究を開始。DRY AND PEACEプロジェクト推進中。著書に『感じる食育 楽しい食育』『米粉ランチ』等。
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