Topics

「我が家の定番」を作ることは、家族が共有する歴史を作ること

(2016/10/19)

 社会派レシピスト、食の探偵団・団長、のサカイ優佳子です。

 学生時代、家庭教師のアルバイトをして、あちこちのお宅で夕飯をご馳走になっていました。美味しいご飯を出してくれるお宅では教えるのにも熱が入ったものです、長く続けたいですからね(笑)。

♪忘れられない家庭料理

 今でも覚えているお宅が一軒あります。珍しい料理は皆無。トンカツに千切りキャベツに豚汁とか。焼き魚と煮物と白菜漬けとか。マカロニグラタンとかカレーとか。日本で育った人なら誰もが知っている料理だし、同じものが出てくる率も高かったのですが、そのどれもがほんとうに美味しかったのです。それもカツなら揚げたてが、焼き魚なら焼きたてが出てくる。お米も炊きたてをよそってくれます。

 白菜漬けも手作りでした。葉の一枚一枚の間に柚子の皮の千切りが挟んである、その香りと、干してから漬けたという白菜のシャキシャキの歯応えがご馳走。思わずご飯をお代わりしてしまう味でした。30年以上前のことなのに今もその白菜漬けが目に浮かぶほど(笑)。

♪繰り返し作るから特別になる

 料理上手と言って思い浮かべるのはどんな人でしょうか。いろいろな料理を作ることができて、華やかで美しい食卓を調えてのおもてなしも如才なく。メディアが拡散するそんなイメージを私たちは日々受け取っています。それが実現できない自分にコンプレックスを感じる人がいる一方で、魚の煮付けは作ったことがないけれどパンやケーキは焼くという人も出てきます。

 何度も繰り返し作る。そのたびに少しずつ工夫を重ねてみる。我が家ならではの定番のおかずは、地味かもしれないけれど家族が共有する歴史。私が家庭教師に伺っていたあのお宅の白菜漬けはきっと「やっぱりウチの白菜漬け」と今もあの家族の食卓の真ん中にあるに違いありません。

♪我が家のホワイトシチューのルール

 先日、我が家のホワイトシチューのこだわりをブログにアップしたら、「作ってみました!」「家族が大喜び!」と何人もが報告してくれました。そんなわけで、まだまだこれから進化するかもしれませんが、現段階のルールをご紹介しておきますね。定番料理をこそ大切にしていきたいと思います。

ホワイトシチューのルール
  1. 鶏肉ベースだけれど、ホタテときのこは必ず加える。
  2. 昆布水(昆布を水に浸して冷蔵庫で8時間ほどおく)で作る。
  3. 小麦粉は使わず、米粉を冷たい牛乳で溶いたものを煮上がりに加えてとろみをつける。
お知らせ

9月22日にサカイさんの新刊が発売されました。「毎日食べたい乾物ヨーグルトレシピ決定版」(世界文化社)。

乾物をヨーグルトで戻すという食べ方を提唱したサカイさんならではの、とっておきレシピが多数紹介されています。肉や魚と合わせた主菜やスイーツ、朝食レシピまで毎日の食卓のヒントが載っています。

サカイ優佳子ホームページ : http://yukakosakai.net

DRYandPEACE(代表理事:サカイ優佳子)のホームページ:http://dryandpeace.com

********サカイ優佳子(さかい・ゆかこ)プロフィール 「五感を重視した食育ワークショップ『食の探偵団』を2002年より田平恵美とともに主宰。田んぼを残したいという思いから07年より米粉の利用法の提案を続け、11年からは『乾物は未来食』という思いから伝統的乾物の新しい使い方や、世界各地の乾物の知恵、料理法の研究を開始。DRY AND PEACEプロジェクト推進中。著書に『感じる食育 楽しい食育』『米粉ランチ』等。
▲ページTOPへ