クローズアップ

【Design of the Month】: 2016年3月号

検証・新国立競技場A 案は「パクリ」なのか?

建築の著作権問題

●中段、上段の席レイアウトがほぼ重なる
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●柱の位置がほぼ一致。トイレなどの部屋割りも類似
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上画像2点が新しく決定したA案の図面、下画像2点がZHAによる旧計画案の図面。 (左)席レイアウト。通路の数は同じ54、出入口の位置などが両図面でほぼ重なる。 (右)地下1階部分。柱の数は同じ108 本。両図面を重ねると柱の位置がほぼ重なり、部屋割りも類似する。写真の黄色い部分がトイレだが、数が同じで位置もほぼ同じとなる。 (出典)上の図面2点は大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所共同企業体がJSCに提出した技術提案書より引用。下の図面2点はJSCの国立競技場将来構想有識者会議の基本設計説明書より引用

 2020年東京五輪・パラリンピックで使用する新国立競技場の建設をめぐる問題。日本スポーツ振興センター(JSC)は、ザハ・ハディド・アーキテクツ(以下、ZHA)による「旧計画案」を白紙撤回し、2015年12月に大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所の共同企業体が提出した「A 案」を新たな計画案とし、2016年2月に正式契約を行った。

 だがそこで、エンブレム問題に続いてまたもや著作権問題が持ち上がり始めている。旧計画案のデザイン監修を行ったZHA側が、A案の構造が旧計画案に類似していると指摘。著作権侵害による法的処置も辞さないとしており、事態は混迷の様相を見せ始めたのだ。

 ZHAはA案が採用された直後の2015年12月22日に、A案は「我々が2年かけて提案したスタジアムのレイアウトや座席の構造と驚くほど似ている」との声明を発表。英デーリー・テレグラフ電子版によると、これに対してJSCは契約金の残りを支払う条件として、ZHAに対し追加の支払いなしに旧計画案の成果を(改変を含めて)自由に使用できることと、今後この件に関しては何も話さないという条項を加えることを要求したと言う。なおこの件についてJSCは「ZHAとの契約に関しては守秘義務があり、話すことはできない」(広報)としている。

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