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【ニュース&トレンド】: 2016年5月号

昭和産業、パッケージ変更で食用油の売り上げが3割増

リニューアル

2016年5月23日(月)

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現行デザインの「オレインリッチ」(左)と「エクストラバージンオリーブオイル」(右) (画像提供:昭和産業)

 昭和産業は、家庭向け食用油「オレインリッチ」のパッケージを全面的に変更した結果、売り上げが従来比で約3割増になったことを明らかにした。同時期にデザインを見直した同社の商品「エクストラバージンオリーブオイル」も約1割弱のアップにつながった。以前のパッケージはいずれも商品の特徴を数値や文字などで表示したが、今回はユーザーのキッチンや食卓で映えるデザインを狙い、大胆なイラストで表現。「ピュアひまわり油100%」をうたうオレインリッチはオレンジを背景に大きなひまわりを、新鮮なオリーブ果実の使用が売り物のエクストラバージンオリーブオイルは、グリーンを基調に大きなオリーブを描いた。

 「おいしさや品質、健康といった点をアピールするため、これまでのパッケージとは異なる方法でアプローチしたかった。今回はテーブルに置きたくなるなど、キッチンライフを演出する商品として全面的にリニューアルした」(商品開発センター家庭用グループの管千香・グループリーダー)。

 2つとも2015年3月から販売しており、デザイン面では千葉大学大学院発のベンチャー企業、BBStoneデザイン心理学研究所の支援を得た。同社はデザインと心理学の関係を探る独自手法で、マーケティングやコンサルティングなどを行っている。

ほかの商品パッケージも見直しへ

 パッケージの変更にはユーザーの変化があった。オレインリッチは2000年から発売しているが、市場が次第に縮小しており、新たな手を打つ必要があった。開発プロジェクトは2014年秋にスタート。まずは商品のコンセプトから4つのデザイン案を考え、それぞれをモニターに見せて印象を聞いた。モニターの視線を追うアイトラッキング装置も利用。パッケージのどこに反応しているかをチェックし、数値データとして分析できるようにした。

●「キッチンや食卓に置きたいと思うのは?」と聞いたときのアイトラッキング画像
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モニターに質問しながら、それぞれの従来デザイン(左)と試作品のデザイン(右)について聞いたところ、ひまわりやオリーブの大胆な絵柄が注目を集めた。赤色部分が視線の集中しているところ

 例えば「体によさそうに感じられるのは?」「品質が良いと感じられるのは?」「おいしいそうに感じられるのは?」「キッチンや食卓に置きたいと思うのは?」などとモニターに質問したところ、オレインリッチの場合はひまわりを大きく描いたデザインに視線が集中。独特な絵柄やオレンジの配色が強い印象を与えていることが分かった。エクストラバージンオリーブオイルの調査でも同様な結果が出たため、最終的にひまわりとオリーブを中心にしたデザインに決めた。

 これまでの商品とは異なるデザインのため、実際の店頭でどのような反応があるかを心配する声も当初は社内にあったと言う。リニューアルの成功を踏まえ、今後は別の商品でもデザインを見直す方針だ。

(大山繁樹)

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