クローズアップ

第6回「クリエイティブのABC」

経験の積み上げこそがバイイングのセンスにつながる

method(メソッド)代表取締役・バイヤー、山田遊氏

 ブランディングデザイナーの西澤明洋氏が聞き手となり、クリエーターの創造的思考や行動を公開インタビューで探る「クリエイティブのABC」(企画協力は青山ブックセンター)。今回の相手は、フリーランスのバイヤーという特異なスタイルで、ショップづくりからイベント、商業施設のプランニングなども手がけるmethod(メソッド)の山田遊氏。

西澤:本日はフリーランスでバイヤーとして活躍されている、method(メソッド)の山田遊さんをお迎えしました。『デザインとセンスで売れる ショップ成功のメソッド』という著作もあり、バイヤーとしての経験を生かし「いかに売れるショップをつくるか」といった、クリエーターとして店づくりを手がけるようになりました。いま最も注目されているお一人ですが、フリーランスのバイヤーという仕事は大変ユニークですね。

「ショップのロゴや内装もコンセプトに従うべき」
山田遊(やまだ ゆう)氏:東京都出身。東京・南青山の「IDEE SHOP」のバイヤーを経て、2007年にmethod(メソッド)を設立。フリーランスのバイヤーとして活動を始める。グッドデザイン賞審査委員など各種コンペティンションの審査員や、京都精華大学非常勤講師など、教育機関や産地などでの講義・講演など、多岐にわたり活躍中。主な著書に『別冊Discover Japan 暮らしの専門店』『デザインとセンスで売れる ショップ成功のメソッド』。(写真:丸毛 透)

山田:確かにまだ少ないと思います。僕の仕事を簡単に説明すると、店のコンセプトに応じて、様々な商品をバイイングすることです。ショップから「品ぞろえを考えてほしい」と依頼を受け、メーカーなどの企業と交渉し、対価を頂きます。モノの流通には関わっていません。

 フリーランスの立場なので、一般的な企業のバイヤーよりも多くの企業と付き合えますから、より多くの商品情報を得ることができます。1つのショップをつくるとき、仕入れで100社~200社と交渉するときもありますが、そういった煩雑な仕事でもこれまで培ってきた情報量や交渉力、人脈などを武器にして請け負うことができます。

 これまでも「フリーランスのバイヤー」として活動することで、ほかにない新しい強みを生み出してきました。今では、デザインからファッション、アート、工芸、食など、さまざまなモノと生活者との間をつなぐ言わば「潤滑油」として、店づくりを中心に日々、多くの仕事をしています。

西澤:山田さんは、どうしてフリーランスになろうとしたのですか。

山田:僕は当初は、東京・南青山にあった「IDEE SHOP(イデー ショップ)」でバイヤーをしていました。そこで卸や輸入商社、メーカーなど多くの企業と取引していました。3年ぐらいで退職し、次は恵比寿にある「ギャラリードゥポワソン」というコンテンポラリージュエリーやアートジュエリーのギャラリーに勤め始めました。そのギャラリーでは企画展をやったり、小売りをしたりしていました

「コンセプトが明確なほどデザインしやすくなる」
西澤明洋(にしざわ あきひろ)氏●エイトブランディングデザイン代表。ブランドから商品、店舗の開発など幅広いデザイン活動を行う。独自のデザイン開発手法により、リサーチからプランニング、コンセプトまで含めた一貫性のあるブランディングデザインを数多く手掛ける。著書に『ブランドのはじめかた』『ブランドのそだてかた』など。

 ジュエリーは面白い商品で、アパレルやデパートだけでなく、ミュージアムショップやインテリアショップでも扱っています。そこでメーカーやジュエリー作家さんの商品を一手に引き受け、さまざまな店舗に卸売りもしていました。イデーのようなバイイングする立場とは違って、卸を3年ぐらい経験したのです。

 27歳~28歳のとき、これからの30代をどうしようかと悩みました。モノが好きで営業もしたしバイイングもしたけど、デザイナーではない。また企業にバイヤーとして勤めるべきか。

 そこで、ふと思い付いたんです。自分の今までの経験を生かし、フリーランスのバイヤーとして独立できないかと。これが今の活動のきっかけとなり、2007年にメソッドを立ち上げました。言わば、フリーランスのバイヤー組織です。

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